ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
MOBILE
qrcode

影郎デザインワークス

LABYRINTH by Kagero Design Works
アイウエアデザイナー影郎のブログ
<< 富良野麓郷 モノローグの木 | main | 喫茶「森の時計」 >>
自分の作品を自分で褒められない。
 先日ある取引店の方からこういわれた。
「なんで影郎さんはご自身のメガネを褒めないのですか?」って。

取引店さんはデザイナーが作品について語ることによりそれを取引店さんが真似をすることでセールストークに出来るわけだからその眼鏡店さんのご不満はもっともなことだと思う。ブランドイメージというものがあるのならば真っ先にこの私がそのブランドイメージを壊しにかかるしね。私のかわりに一生懸命アピールしてくださる眼鏡店さんには本当に申し訳ないと思っている。

本心をいえば自分で作った作品を自分で褒めるのは「鳥肌が立つ」ほど恥ずかしいのだ。たぶんそれは私に限らずデザイナーならばほぼ全員そうじゃないかと思っている。
たとえば(前にも言ったことだが)自分の子供を紹介する際に「うちの馬鹿息子です」と紹介できても「うちの天才息子です」と紹介するのは変でしょう?恥ずかしいでしょ?それとおんなじよ。

かといって他人から「おたくの馬鹿息子さんが・・・」なんて言われると無償に腹が立つ。それと同じなのだ。だれも自分の息子を馬鹿息子なんて思っているわけではない。自分の作品を褒めるのは「うちの天才息子が・・・」って言っているのと同じでとても恥ずかしいだけなのだ。

自らの作品を販売しそれで生計を立てている人間はいつもそのジレンマに悩まされる。それで喰っている以上は売れてもらわなければ困るわけだしね。完全に商売と割り切れれば鳥肌が立つような宣伝文句も浮かぶだろうが次第に嫌になってくる。このブログでも中途半端な紹介しか出来ないのはそのためだ。私はアーティストの皮をかむっている商売人、もしくは商売人の皮をかむるアーティストのどちらかである。この曖昧な立場を続けられるには今のやり方しか出来ないのだ。

ただそんな私でも褒めていただくのはとてもうれしい。
先日の眼鏡工房久保田さんのブログや私のスケッチ画に対してお褒めのコメントをいただいたnabeさんのように。褒められて伸びる(←調子に乗る)タイプなのだろう。

一つ私の作品について語るならば私の作品は私の遺作でもある。売れようが売れなかろうがその作品に私の痕跡(私らしさ)が見られなければ私にとっては真の駄作である。デザインだけを見て「これはあいつの仕業だろう」といわれるぐらいの空気感というか、オーラというか、怨念みたいなものが備わらなければならないと思っている。

日本人のデザイナーでそれが出来ている人は数少ない。

若くしてそれを確立し全世界に向けてそれを発信しているデザイナーさんと来週の月曜日に大阪でサイン会を行う。私のデザイン力や人気の度合いなどその人の足元にも及ばないけれど、流行に左右されることなくわが道を確立した日本人デザイナーの一員として片隅に加えていただければと思う。




| 今日の影郎 | 09:36 | comments(0) | - |
コメント
コメントする